● 我が家でもお盆の時期に「じゃんがら」を、
我が家の田舎、実家でも有る福島県いわき地方の夏の風物詩として、独特のお祭りやイベントということにになりますが、同時期に行われる「いわき盆踊り」は磐城地方独特の踊りで同じ時期に行われ、大勢の人手や露天商なども並びますが、此方の「じゃんがら念仏踊り」個々の小さなイベントで、個人宅を訪問し、厳かにも賑やかに行うことが原則になっています。 その為にお祭りのような大勢が集まってワイワイするものではありませんし、従って、会場の楽しみや露天商などはありません。
いわき地方の伝統芸能である「じゃんがら念仏踊り」に関しては、先ず私事になりますが私は首都圏の神奈川県内に住む者ですが、田舎であり実家は福島県の「いわき湯本」というところです。 従って、湯本には両親やご先祖様が眠る菩提寺参拝の折に、年に1から2度は田舎へ訪れます。 此の時に夏場の旧暦のお盆のシーズンになりますと、いわき名物の「いわき盆踊り」や「じゃんがら念仏踊り」というイベントが有り、以前は折に触れて、学友や地元の友人たちと楽しんだものです。 そして、いわきのお土産として自宅や会社、付近の方々にお配りするのが「じゃんがら・自安我楽」という、いわき地方の名物の甘いお菓子なのです。
いわき湯本をはじめ、周辺地方各地には古くから伝わる独特の伝統芸能である「じゃんがら念仏踊り」がありますが、其の姿や格好は、お揃いの浴衣姿にねじり鉢巻きの襷掛け、其れに足には白足袋を履いた姿の若い男衆が、手持ちの鐘と太鼓の音にあわせて、独特の歌を歌いながら踊りを加えて仏前に披露します。 太鼓や踊りの周期はである一流れが凡そ20分程度で、太鼓打ちの3人を中心に10人前後の男衆がダイナミックなリズムに併せて優雅に力強く踊ります。 踊り歌う場所は、その年の新盆の家の玄関前とか庭先、其れに寺院の境内やお薬師さん、お不動さん、其れに観音堂などで繰り広げられます。
実は、我家でも実父が亡くなった時に新盆に併せてじゃんがら念仏踊りをお願いしましたが、新盆のお宅に近づくと鉦が「ジャンジャカ、ジャンジャカ、ジャンジャンジャン」と鳴らしながら、又、太鼓は「スンドコズンドコ、ズンドコドン、ズンドコドン」と囃子ながら庭先などへ参じてきます。 其の後は輪になって踊りながら、暫らくして太鼓衆が前列なり、鉦の方が後方に下がって、愈々、鉦と太鼓と笛や踊りと謡で、念仏踊りが始まるのです。
その後、終わった後は広い屋敷では全員を座敷に上げて酒、肴で御もてなしを行なうのです。
その念仏踊りの中の「謡」というのは歌詞のことで、記憶にあるのは、「盆には米の飯 おつけてばなす汁 十六ささげの よごしはどうだいなーー、」とあります。 その意味はお盆の時期ぐらいは、白い飯で味噌汁にはナス汁、其れに十六ささげの豆はゴマよごしにして食べようじゃないか、という意味になり、普段は麦飯なのだからお盆ぐらいはチョット贅沢しようよと、因みに「十六ささげ」とは豆のことでサヤインゲンよりもうちょっと長い豆のことで、サヤの中には十六粒の豆が入っている。
「じゃんがら」は「自安我楽」とも記して、文字とおり「自ら安すんじながら我も楽しむ」という意味があります。 浴衣姿の若い衆達が、鐘と太鼓と独特の踊りで、仏さん(大衆でもあります)を慰めるのです。 そして、いわき市内や地方では、単に「ジャンガラ」と呼んでいて親しまれ、主に旧盆の毎年8月13日から16日までの4日間行われ、いわきの夏のイベント、風物詩として広く知られています。 其の主体は飽くまでも裏盆供養か昨年に亡くなった初盆の仏さん(いわき地方では新盆ともいう)を供養するのが本来の目的です。
いわき市の代表的な「無形民俗文化財」にも指定されているのです。
次回は、 いわき湯本の銘菓・「自安我楽」